「おばあちゃん、そろそろパートを始めたいなって思ってるんだけど、何から手をつければいいのか分からなくて。求人サイトを開いてみたら、数が多すぎて、そのまま閉じちゃった」
「ああ、それはよくあるのよ。いきなり求人を開くと、たいてい迷子になるの」
「じゃあ、何から始めるの?」
「紙とペンを出しなさい。求人を見るのは、そのあと。まずは、自分のことを書き出すのよ」
パートを始めたいと思ったとき、多くの人が最初につまずくのは、「何をすればいいのか」が見えないことです。求人の数が多すぎる、年齢が気になる、ブランクがある、家のことも心配。いろいろ重なって、動き出せなくなってしまいます。
この記事では、パートを始めるときの最初の一歩を、7日間の流れにして説明します。
結論から言うと、最初にやるのは求人探しではなく、「自分の条件を紙に書くこと」です。
これだけで、そのあとの動きがぐっと楽になります。
最初に迷う理由
迷うのは優柔不断だからではなく、だいたいこんな理由。
- 求人が多すぎて、どれを見ればいいのか分からない
- 自分に何ができるのか、はっきり言えない
- 家の都合(送り迎え、家事、介護など)と、両立できるか分からない
- 年齢やブランクで、断られるのではと不安になる
- 収入をどこまで増やしていいのかが、分からない
この5つは、求人を見ても解決しない悩みです。
だから、求人サイトを開いても、答えが出ずに疲れてしまいます。
先に、自分の側の整理をしておくと、求人が「選べるもの」に変わります。
最初にやること:紙に書き出す(1〜2日目)
紙を1枚用意して、次の5つを書いてみてください。きれいに書く必要はありません。
| 書き出すこと | 例 |
|---|---|
| ①働ける曜日・時間帯 | 平日の9時〜15時なら大丈夫 |
| ②通える範囲 | 自転車で15分以内、または電車で30分まで |
| ③家庭の都合 | 水曜は子どもの送迎、月に1回は通院の付き添い |
| ④収入の希望 | 月にこのくらいは欲しい、これ以上は増やしたくない |
| ⑤やりたくないこと | 重いものを持つのは避けたい、夜遅くはNG |
コツは、「できること」よりも「できないこと」から書くことです。
40代・50代は、体力や家庭の事情など、動かせない条件が、人によってはっきり違います。
先に避けたいことを書いておくと、応募したあとの「こんなはずじゃなかった」を、減らせます。
条件は「譲れない1つ」だけにする
書き出したら、次はそこから「これだけは譲れない」を1つだけ選びます。
条件を10個並べて探すと、ぴったりの求人は、ほぼ出てきません。
「時給も高くて、家から近くて、土日休みで、シフト自由で、人間関係も良くて……」というのは、条件が多すぎるのです。
| 優先順位 | 例 |
|---|---|
| 譲れない(1つだけ) | 平日の午前だけ働ける |
| できれば欲しい(2〜3つ) | 家から近い、交通費が出る、制服がある |
| 妥協してもいい | 時給、仕事内容、職場の雰囲気 |
「譲れない1つ」が決まると、求人を見るときの目が変わります。
条件に合わない求人を、迷わず閉じられるようになるからです。
収入の目安は、家族と先に話しておく
パートを始める前に、もう一つ大事なことがあります。
「どれくらいの収入までにするか」を、家族と先に話しておくことです。
配偶者の扶養に入っている場合、収入が一定の額を超えると、税金や社会保険の扱いが変わります。
この金額は、制度の改正が続いていて、年によって変わります。
数字を覚えるよりも、決まりが変わっていないか、始める前に確認する習慣をつけてください。
| 確認すること | 誰に聞く? |
|---|---|
| 税金がかかる収入のライン | 国税庁のサイト、税務署 |
| 配偶者の扶養に入れる収入のライン | 配偶者の勤め先(健康保険組合など) |
| 勤め先の社会保険に入るかどうか | 求人票の「社会保険あり」の表示、面接で確認 |
「やるかやらないか」ではなく、「どう始めるか」から話すと、話が進みやすくなります。家事の分担も、このときに一緒に相談しておくと安心です。
7日間で応募まで進む、ゆるいスケジュール
ここまでを、1週間の流れにまとめます。毎日30分くらいで、十分です。
| 日 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1日目 | 条件を紙に書き出す | できないことから書く |
| 2日目 | 「譲れない1つ」を決める | 残りは、できれば欲しいに分ける |
| 3日目 | 家族に、収入の目安を相談する | 扶養のラインを確認する |
| 4日目 | 自分の地域の求人を見てみる | まずは、見るだけ |
| 5日目 | 気になる求人を、3つキープする | 応募はまだしない |
| 6日目 | 履歴書の下書きをつくる | 完璧でなくていい |
| 7日目 | 1件、応募してみる | 落ちても、次がある |
5日目までは、応募しなくていいのがポイントです。
見るだけ、キープするだけで、ハードルがぐっと下がります。
求人を見る日:見る場所は、3つだけ
4日目に求人を見るときも、全部を読む必要はありません。
見る場所を、3つに絞ります。
- 勤務時間とシフトの組み方(「譲れない1つ」に合っているか)
- 時給と交通費(交通費が別に出るかで、実際の収入が変わる)
- 「未経験歓迎」「研修あり」などの表示(初めての仕事なら、とても大事)
求人の数は、住んでいる地域によって、かなり違います。
先に、自分の地域で探して、どんな求人があるかを確かめてみてください。
求人サイトは、使い慣れるまで、少し時間がかかります。
イーアイデムは、地域に合わせた求人を探せるサービスです。
エリアや路線、現在地から探せて、こだわり条件で絞り込んだり、気になる求人をキープしたりできます。
5日目の「キープ」の作業にも、使いやすいと思います。
\まずは自分の地域で、どんな求人があるか見てみる/
地域によっては、求人の数に差があります。1つのサービスだけにこだわらず、ほかのサイトも合わせて見てみると、選択肢を取りこぼしにくくなります。
応募の前後で、用意しておくもの
応募や入社のときに、必要になることが多いものを、まとめておきます。
職場によって違うので、指示があれば、それに従ってください。
| いつ | 用意するもの |
|---|---|
| 応募・面接のとき | 履歴書、(求められたら)職務経歴書、身分証 |
| 入社が決まったとき | マイナンバーが分かるもの、基礎年金番号が分かるもの |
| 入社が決まったとき | 給料を振り込む銀行口座の情報 |
| 場合によって | 前の仕事の源泉徴収票(その年に別の仕事をしていた場合)、雇用保険被保険者証 |
| 入社時に出す | 扶養控除等申告書(税金の計算のための紙。1か所の勤め先にだけ出します) |
入社時に渡される労働条件通知書(契約の内容が書かれた紙)は、必ず読んでください。
勤務時間、時給、休みの取り方など、約束が書かれています。
応募から初出勤までの、ざっくりした流れ
- 応募する
- 勤め先から、連絡が来る(電話やメール)
- 面接を受ける
- 結果の連絡が来る
- 契約の内容を確認して、書類を出す
- 初出勤
面接の準備や、応募後の連絡の見方は、「パート面接でよく聞かれる質問集」の記事にまとめています。


始めたあとの、最初の1か月の考え方
パートは、始めたあとも、「お試し」の気持ちで続けて大丈夫です。
- 最初の1〜2週間は、疲れやすいのが普通です。慣れるまでは、体が重く感じます
- 3か月くらいは、「慣れるための期間」と考えます
- 合わなければ、辞めてもいい。ただし、辞めるときの手続きや、次の探し方は、先に頭に入れておく
「一度決めたら、長く続けなければ」と思い込むと、最初の一歩が重くなります。
気軽に始めて、合わなければ変える。それでいいのです。
よくある疑問
Q. ブランクが10年以上あっても、大丈夫?
A. 大丈夫なことが多いです。未経験歓迎、ブランクOKの求人は、実際にあります。不安なら、「研修あり」の職場から探すと、始めやすくなります。
Q. 年齢で、断られない?
A. 年齢が気になる気持ちは、よく分かります。ただ、年代の近いスタッフが活躍している職場も多く、一概には言えません。応募前に、「どんな年代の人が働いているか」を、求人の記載や面接で確認してみてください。
Q. 履歴書は、手書きがいい?
A. 職場によって、考え方が違います。求人に指定があれば従い、なければ、パソコンで作ったものでも、問題ないことが多いです。
まとめ:最初の一歩は、紙に書くこと
- 求人を見る前に、自分の条件を、紙に書き出す
- 条件は、「譲れない1つ」だけに絞る
- 収入の目安は、家族と先に話しておく
- 7日間で、少しずつ進めば、応募まで届く
- 始めたあとは、「お試し」の気持ちで続ける
何から始めればいいか分からないときは、まず紙とペンを出してみてください。
それだけで、動き出したことになります。
※この記事は一般的な情報です。税金や社会保険の扱いは、個別の事情で変わります。最終的な判断は、国税庁や勤め先、専門家にご確認ください。







